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INTERVIEW

看板商品である「梅花はんぺん」は、お陰様で苦労の末に取れました

株式会社井上蒲鉾店 代表取締役 牧田 知江子

素朴な中にも洗練された味わいと上品な後味で、昭和6年の創業以来、鎌倉ならではの味を求め続けてきた井上蒲鉾店様。
代表取締役の牧田知江子様にお話を伺いました。

商標登録をしようと思ったきっかけを教えてください。

看板商品である「梅花はんぺん」は、鎌倉でこそ名付けができて、鎌倉の地でこそ商品ができたという、鎌倉の土地と深く結びついた商品です。
ところが、先代のときに「梅花はんぺん」という商標を出願して、取れなかったんです。どうして登録できないのか、素人にはまったく理解できず、一番の看板商品なのにどうして取れないのだろうと、長年ずっと思ってきました。
そんな中でたまたま渡部先生と出会うご縁があり、梅花はんぺんの商標が取れなかったことをお話ししたところ、「取りましょうよ」という話になりました。
それが、商標登録に再チャレンジしようと思ったきっかけです。

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結果的に、「梅花はんぺん」は見事商標登録されましたね。

本当に梅花はんぺんの商標登録は難しかったのではないかと思います。でも、今度は取れました。本当に嬉しいニュースでした。

前回はそのようなことはしなかったのですが、今回は審査の過程でたくさんデータを出しました。梅花はんぺんがいかに多くの方に愛されているかということを、販売量や歴史、メディアでの取り上げられ方など、あらゆる角度から渡部先生が検討して、理論的に構築してくださいました。さすが凄いなあと思いました。
お陰様で苦労の末に取れた商標でした。

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実際に商標登録をして、何か変わりましたか?

百貨店と取引をするときに、商標登録されていることはその商品にブランド力があるかという目安になっていて、先方のバイヤーにとって大きな魅力になるようです。そういう意味では、するべきことをしてあるという安心感があります。

大きな取引をするときに商標があることは、常識の一つであり、それがなければスタートラインにも立てないというイメージが今の製造業者と流通業界との取引の中にあります。
また、商標登録したことによって、自社のブランドとしての誇り、そしてスタッフの誇りが強まったのではないかと感じています。

鎌倉のブランドとして今後の展望を教えてください。

クレドとして、常に「誇り高き鎌倉人の、誇りである蒲鉾を作り続ける蒲鉾屋である」と話しています。
鎌倉にお住まいの方が皆さん「鎌倉っていい所だよ」とおっしゃることや、鎌倉に住んでいると言うとよその方から「いいところに住んでいるね」と言われるように、鎌倉って特別な町だと思うんですね。

そういう町で、80何年間、商いをしています。
日本全国には美味しい蒲鉾屋さんがたくさんありますが、鎌倉の方は「あそこのも美味しいけど、鎌倉には井上蒲鉾店があるんだよ」と言ってくださいます。
「鎌倉の梅花はんぺん、これがないと正月が来ないんだよ」と言ってくださる皆さんのために、その言葉を誇りとして、鎌倉から外に発信できるもの作りを続けたいのです。
いい物というのは、嘘のない、お魚からきちっと作り、必要のない添加物は入れない。そして昔からの作り方という基本は曲げたくない。
そういうものを「いい」と認めてくださっている鎌倉の皆さんがいて、その裏付けとなっているのが商標だと思うんですね。

今後もその姿勢を貫いて、次の世代にも繋げたいです。次の世代の鎌倉にお住まいの方にも、やはり鎌倉には鎌倉の蒲鉾屋があるんだというふうに、誇りに思っていただけるようにして行きたいなと思っています。

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