おはようございます。
弁理士の渡部です。
大分県が観光キャッチフレーズとして「おんせん県」の商標登録を目指していましたが、今月、特許庁から審査結果が通知されたようです。
通知の内容は、「『おんせん県』はすでに広く使用されている」として、登録を認めることができないというものです。
商標が登録を受けるためには、ある特定の事業者が販売した商品であることを示す機能がなければならないところ、商標が不特定多数の事業者に使用されている場合は、どの事業者が販売する商品であるかが分からないので、商標としての機能を発揮せず、登録を認めることができないという通知を受ける場合があります。
実際、何社程度の事業者に使用されてると、この基準に該当するかは明確な基準はないのですが、私が担当した事件のなかで少ない事例では、5つの事業者が使用していたという事実をもって、登録を認めることができないという通知を受けたことがあります。
我が国は、複数社が同じ商標を使用していても、最初に出願した者に登録を認める制度を採用しています。
この制度を採用している我が国においては、不特定多数が使用しているから登録は認めないという通知は、慎重な判断の上で通知しなければならないと考えます。
このような点で議論があるので、上記通知を受けても、特許庁との間で議論を尽くすことで登録に導くことができることもあります。
本当に重要な商標であれば、ここで諦めてはいけません。
むしろここが戦いの入口なのです。
http://www.asahi.com/national/update/0522/SEB201305220011.html