おはようございます。
弁理士の渡部です。

商標は、誰が作った商品かを表すマークです。
商品の名前と考えるとイメージがつきやすいです。

人の名付けは自由です。
しかし、商品の名付けが自由だと困ることがあります。

別々の企業が作った商品に同じ名前がつけられると、消費者が間違って買ってしまいます。

商品の出来にいい悪い（例えば、おいしい・まずい）がある場合、一生懸命いい商品を作っている企業の商品が、そうでない商品と間違えられてしまうと、その企業が努力して培ってきた評判が下がってしまいます。
逆に、本来ならその企業の商品が売れるところ、悪い商品を買われ、売り上げが悪い商品の企業の方に流れてしまいます。

だから、同じ商品名は１社だけにした方がよいのです。
これを確保するのが商標登録です。

商標には、商品名だけでなく、ロゴマークなどもあります。
商品名でいえば、自動車の「クラウン」、お菓子の「ポッキー」、ミュージックプレイヤーの「ウォークマン」などが有名です。
ロゴマークでいえば、すかいらーくの鳥のマーク、アップルのリンゴのマーク、クロネコヤマトの猫のマークなどが有名です。

よい商品を作り続けると、消費者からよい評判がつきます。
消費者は商品を名前で覚えるので、消費者が抱く評判は、商標を通じて蓄積されていきます。
評判は目に見えませんが、消費者は、よい商品を求めて繰り返し商品を購入するので、企業にとっては、消費者の評判は財産となります。

こうした財産を「ブランド」といいますが、商標登録の大きな目的は、１商品１つの商標とすることで、消費者が間違えてしまうのを防止し、企業のブランドを守るということにあります。