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【その4】始まる新たな商標登録の管理、市場ニーズに合わせた内容の充実化の負担軽減へ

おはようございます。
弁理士の渡部です。


本日は、先のブログ「【その3】始まる新たな商標登録の管理、市場ニーズに合わせた内容の充実化の負担軽減へ」の続きです。


商標登録のビッグデータから将来を見える化


例えば、最初の商標登録では「菓子」を指定していた企業が、次の商標登録では、「菓子」だけでなく「コーヒー」まで指定している事例が多数ありました。
そこで、これらの企業のうちいくつかの企業について調べてみると、最初はお菓子だけを取り扱っていたが、その後コーヒーも取り扱うようになったことが分かりました。


なるほど。だから最初は、お菓子にだけ使う商標について商標登録を取得したが、その後取り扱う商品が増え、次はお菓子にもコーヒーにも使う商標について商標登録を取得したという経緯があったわけです。


研究開発を続けていくと、特許庁が発行する商標登録のビッグデータを分析することで、「菓子」の商標について商標登録を取得した企業が、「菓子」と併せてどのような商品まで商標登録に含めたのかが分かったのです。


以下は、商標登録のビッグデータを分析したサンプルですが、「菓子」と併せて指定された商品は、次のようになっています。表中の「件数」は、該当する商標登録の件数を表しています。



菓子


商品件数
パン15,657
サンドイッチ12,627
ピザ12,333
ハンバーガー12,325
ホットドッグ12,254
中華まんじゅう12,080
ミートパイ12,030
コーヒー7,946
6,752
ココア659
その他(149,238個の商品)


この表から、「菓子」の商標について商標登録を取得する場合、「菓子」のほかに、「パン」「サンドイッチ」「ピザ」「ハンバーガー」「ホットドッグ」「中華まんじゅう」「ミートパイ」「コーヒー」「茶」「ココア」などの商品も商標登録に含めると、将来の事業まできちんと考慮した商標登録が取得できることが分かります。


大切なことは見える化。このように商標登録のビッグデータから将来取り扱う商品を見える化すれば、お客様は、自社のビジョンと照らし合わせ将来の可能性を具体的に検討することができます。そして、この分析結果をもとにお客様と将来の可能性について検討し、コストも考慮して最終的に商標出願で指定する商品を決めていきます。 


いかがでしょうか。
各企業が、変化の激しい市場のニーズに対応していくことを考えると、今後の商標登録では、このように将来取り扱う商品までデータ分析を行い、一番最初にきちんと手当てしていく方法がスタンダードになるでしょう。



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