おはようございます。
弁理士の渡部です。
商標「あなたの○○」は、商標「○○」と似ているでしょうか。
例えば、「あなたの会計エキスパート」と、「会計エキスパート」が似ているかどうかを例に考えてみます。
ある会計事務所Aが「会計エキスパート」という名称で事業を営んでいます。
サービスがよく徐々に名前が知られるようになると、まったく別の会計事務所Bが「あなたの会計エキスパート」という名称で事業を始めるようになりました。
この場合、消費者は、会計事務所Bのサービスを会計事務所Aのサービスと勘違いしてしまうでしょうか。
もし勘違いをしてしまう場合、2つの商標は似ているということになります。
逆にそうではなく、明らかに区別できる場合、2つの商標は似ていないということになります。
商標は、消費者の目印となるものですので、消費者に訴えかける効果があります。「会計エキスパート」は「あなた」へのサービスの目印です、と。
このような潜在的なメッセージ性があるのに対し、「あなたの会計エキスパート」は、「あなた」の部分が違いますが、訴えかける対象である「あなた」を明示したものであり、メッセージ性が近いと感じます。
しかし、特許庁では、商標が似ていないと判断する傾向があるようです。
例えば、
・「あなたの恋人」と「恋人」
・「あなたのお医者さん」と「お医者さん」
・「あなたの宝石箱」と「宝石箱」
は、商標が似ていないとして、両方とも登録となっている事例です。