おはようございます。
弁理士の渡部です。
「かまらく梅サイダー」が発売になったという記事を拝見しました。
私は、以前から有名な「鎌倉サイダー」の新しいシリーズかと思いましたが、どうやら別物のようです。
「かまらく梅サイダー」の発売元がどこなのかは分かりませんが、「鎌倉サイダー」の発売元は鎌倉ビール醸造株式会社です。
「かまらく梅サイダー」と「鎌倉サイダー」は、ネーミングが近く、発売元が違う場合、買う人が間違ったりしないのだろうか、という疑問を耳にします。
商標法では、「鎌倉サイダー」という商標は、商標として機能しないという理由で商標登録を受けることができません。
つまり、特定の販売元を表す商標ではなく、「鎌倉で製造・販売するサイダー」という品質表示に過ぎないという考えです。
同様の例として「カスタードプリン」。
「カスタードプリン」は、様々な洋菓子店においてその名前で販売されており、買う人が、洋菓子店Aのカスタードプリンを、洋菓子店Bのカスタードプリンと間違ったりする可能性は少ないと考えられます。
しかし、「鎌倉サイダー」の場合はどうでしょうか。
鎌倉の中では、これまで鎌倉ビール醸造株式会社の商品しかなく、ご当地サイダーとして人気を博し、少なくとも鎌倉に住んでいる方は、「鎌倉サイダー」と聞いたときに、鎌倉ビール醸造株式会社の商品を思い浮かべるのではないでしょうか。
そうすると、必ずしも「カスタードプリン」と同様には考えられないともいえます。
鎌倉では、「鎌倉サイダー」のように、地名「鎌倉」と普通名称を組み合わせた商標をよく見かけますが、これらは同様に商標として機能せず、誰でも使える商標ですので、ネーミングに関する交通整理が難しい問題があります。