おはようございます。
弁理士の渡部です。
私たちの身近な商品にも「特許」という表示をよく見かけます。
「特許」という字は、特別に許されたと書くので、青色発光ダイオードのような特別で優れた技術にしか与えられないイメージを抱いてしまいますが、私たちの身近な商品にも、特許となる技術があるのです。
皆さんよくお馴染みの「ヘップリングゴム」にも「特許」があります。
本日は、「ヘップリングゴム」の特許にまつわるお話を紹介します。
髪を束ねるための髪ゴムですから、見た目はただのゴムのわっかです。
どこに特許があるの?と思ってしまいます。
実は、ゴムのつなぎ目にあったのです。
リング状のゴムとなっていますが、成形などして最初からリング状に作っているわけではありません。
一本のゴムの両端をくっつけています。
従来の髪ゴムは、ゴムの両端を金具でくっつけていましたが、この髪ゴムで髪を束ねると、金具とゴムの間に髪の毛が挟まってしまうという問題を抱えていました。
そこで、「ヘップリングゴム」は、この点を解消するために、金具を使わずにゴムの両端をくっつけようというコンセプトで作られています。
接着剤でくっつけることを考えたのですが、ゴムを引っ張る力がつなぎ目にかかるので強力にしようと思うと、つなぎ目に接着剤を多く使わざるを得ず盛り上がってしまい、見た目が悪くなってしまいます。
研究を重ねた結果、「髪の毛が挟まらない」「見た目を美しく」の両方を解決する接着方法を編み出し、特許を取得しています。
つなぎ目を注意深く見てみないと分からない程、上手に接着できるようになりました。
ぱっと見ただけでは、分からないような工夫ですが、消費者の潜在意識の中に「美しさ」と「使いやすさ」が自然と浸透していき、従来の髪ゴムとは比べ物にならない程の売り上げを伸ばしています。
引用:http://www.inoue-braid.co.jp/samplepage00_M.html