おはようございます。
弁理士の渡部です。
本日は、先のブログ「僕はペンでアッポーペン」の続きです。
ほどなくして、世間の別の話題とも相まって商品の売れ行きが順調な一方の彼が文房具屋を訪れたところ、なんと、自社と同じような商品が自社と同じ商品名で売っているではないですか。
他方の彼にも同様の驚きがありました。菓子屋を訪れたところ、なんと、自社と同じような商品が自社と同じ商品名で売っているではないですか。
2人は互いに警告書を出します。
「アッポーペン」を使ってはならない、と。
ところが、よくよく見てみると、2人の商標登録は別物でした。
一方は、「菓子」についての商標登録。他方は、菓子とはまったく別物の「文房具」についての商標登録。
商標登録は、商品が異なれば同じ商標も登録となる制度になっています。
皆様もよくご存じの例では、「辞書」について商標「クラウン」は三省堂が、「自動車」について商標「クラウン」はトヨタがそれぞれ商標登録を取得しています。
消費者が同じ商標をみて間違わなければそれでいいからです。
菓子を買いに行こうと思って、間違って文房具を買ってしまう人はいないでしょう。
逆もまた然りです。
だから、同じ名前でも差し支えないと考えるのが商標の制度です。
次回は、本記事の続きとして「制度は期待するのではなく利用するもの」についてお話します。
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