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ショッピングサイトにも責任あり

おはようございます。
弁理士の渡部です。


ショッピングサイトで商標権を侵害する商品が出店された場合、サイト運営者の法的責任はどうなるのでしょうか。


知財高裁は、
「商標権侵害を知って合理的な期間内にサイトから削除しなければ、商標権者はサイト運営者に差止め請求できる」
との判断を示しました。


この訴訟は、有名な商標「チュッパ チャプス」に類似する商標を使用した商品が楽天市場で販売されていたことから、商標権者が楽天に対し商品の販売や広告の差止請求を求めていたものです。
これまでは、いわゆるプロバイダ責任制限法に基づいて、サイト運営者に対して商標権侵害情報の削除などを求めるという対処が一般的であったのに対し、今回の判決は、商標権に基づく差止請求権や損害賠償請求権を認めた点で大きな意味があります。


以下、判例の原文です。


http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120216101709.pdf


判決文99頁の抜粋:
(1)本件における被告サイトのように,ウェブサイトにおいて複数の出店者が各々のウェブページ(出店ページ)を開設してその出店ページ上の店舗(仮想店舗)で商品を展示し,これを閲覧した購入者が所定の手続を経て出店者から商品を購入することができる場合において,上記ウェブページに展示された商品が第三者の商標権を侵害しているときは,商標権者は,直接に上記展示を行っている出店者に対し,商標権侵害を理由に,ウェブページからの削除等の差止請求と損害賠償請求をすることができることは明らかであるが,


(2)そのほかに,ウェブページの運営者が,単に出店者によるウェブページの開設のための環境等を整備するにとどまらず,運営システムの提供・出店者からの出店申込みの許否・出店者へのサービスの一時停止や出店停止等の管理・支配を行い,出店者からの基本出店料やシステム利用料の受領等の利益を受けている者であって,その者が出店者による商標権侵害があることを知ったとき又は知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるに至ったときは,その後の合理的期間内に侵害内容のウェブページからの削除がなされない限り,上記期間経過後から商標権者はウェブページの運営者に対し,商標権侵害を理由に,出店者に対するのと同様の差止請求と損害賠償請求をすることができると解するのが相当である。





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