おはようございます。
弁理士の渡部です。
米レッドデジタルシネマ社(RED)は、ハリウッド映画の撮影で使用されるデジタルシネマカメラのメーカの大手です。
これに対し、ソニーは、競合としてREDをターゲットに定め、2機種のデジタルシネマカメラを開発し市場に投入したところ、REDが、ソニーに対し、自社のカメラに関する特許2件を侵害するものとして、販売差止や損害賠償を求めて提訴したとのことです。
REDの請求は、販売差止や損害賠償に止まらず、ソニーが製造・販売する対象のデジタルシネマカメラを手放して破棄することまで求めています。
仮に特許侵害が認められれば、REDの要求を考えると、(1)ソニー製デジタルシネマカメラを回収し特許を回避するために仕様を変更するか、(2)ソニー製デジタルシネマカメラそのものを市場から撤退するかのどちらかを選択せざるを得なくなるかもしれません。
近ごろ特許訴訟の話題が絶えないですが、そのなかで海外の企業が日本の企業を訴えるという事件も少なくありません。
我が国も世界有数の特許保有国であり、特許の数としては、決して世界の競争市場においてひけを取っていないのですが、日本の企業は、権利を活用して収益に結びつけるという意識が低いのか、それとも権利行使できるだけの強い特許を保有していないのか、海外の企業に押されている現状が進めば、今後の特許戦略の見直しが必要となってくるかもしれません。
http://japanese.engadget.com/2013/02/17/red/