おはようございます。
弁理士の渡部です。
本日は、先のブログ「Googleが『ググる』と『Google』の違いを巡り裁判」の続きです。
商標には、普通名称化という問題があります。
商標があまりに有名になりすぎると、普通名称のように広く使用されてしまうことがあります。
例えば、「味の素」は、味の素社のうま味調味料ですが、発売当初は、味の素社の商品しかなく、「味の素」の名前で広く知られました。
その後、他社からうま味調味料が発売されるようになると、これまでうま味調味料を「味の素」として認識されてきたことから、他社のうま味調味料も「味の素」と呼ぶようになります。
やがて、A社のうま味調味料も、B社のうま味調味料も、C社のうま味調味料も「味の素」として呼ばれるようになると、「味の素」と聞いたときに、味の素社のうま味調味料であるのか他社のうま味調味料なのか区別がつかなくなります。
これが普通名称化という現象です。
このような現象が生じると、「味の素」の名前は、商品を区別するという商標としての機能が失われますので、1社に独占させるのではなく広く誰でも使えるように開放されてしまいます。
企業としては、ブランドとして育ててきたのに、いつの間にか普通名称になってしまい、広く開放されてしまうという皮肉な結果になります。
ちなみに「味の素」の名前は、味の素社の企業努力の結果、普通名称化を免れたというエピソードがあります。
次回は、「普通名称化を見越した商標登録は可能」についてお話しします。
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