おはようございます。
弁理士の渡部です。
リスクリバーサルとは、お客様が商品やサービスに対して期待している成果を保証し、購入に対する金銭的・心理的なリスクを取り除くことにより、スムーズに購入へと導くマーケティング戦術です。
売上を高める手法として用いられています。
商標登録でも、リスクリバーサルが取り入れられているサービスがあります。
「商標登録されなければ全額返金します。」というサービスです。
インターネット広告でよく表示されるので、目にされる方も多いと思います。
先日、「自社の商標が他社の商標登録と類似するので、どういう対応をしたらよいか?」という相談を受けました。
一見して類似するという理由が見つからなかったので、「名前を変える前に一度出願してみたらいいですよ。」とアドバイスをしました。
全額返金制度では、商標登録にならなければ全額返金なので、裏を返せば売上につなげるには商標登録する必要があり、これが行き過ぎれば確実に商標登録になる案件だけを選ぶ、という傾向になりやすくなります。
お付き合いのある弁護士の先生からこんな話を聞きました。
腕のいい弁護士でも勝率は6割、普通の弁護士なら勝率は5割。
これを超えて勝率が9割と謳っている弁護士は、勝つ案件しか選ばない。
間違っていただきたくないのは、リスクリバーサル=全額返金ではないということです。
あくまでお客様の金銭的・心理的なリスクを取り除く提案でなければならず、全額返金制度を採用することによって成果に対するリスクが生じないように設計する必要があります。