おはようございます。
弁理士の渡部です。
先のブログ「『黒七味』も言葉としてさほど強くない」では、ロッテリアが販売していたご当地ポテトフライが、香辛料販売老舗の原了郭が持っている「黒七味」の商標権を侵害したとの報道について取り上げました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151029-00000088-sph-soci
本日は第3話。その続きになります。
■原了郭はなんて言っているの?
記事によれば、原了郭は、「商品を購入して試食したが、似ても似つかない味だった。味が誤解されてしまう。」と言っています。
つまり、ロッテリアのご当地ポテトフライに「京都黒七味風味」と記載されることで、消費者は、京都の老舗である原了郭の香辛料「黒七味」を使った商品であると誤認してしまうばかりか、まったく味が違うにもかかわらず、ご当地ポテトフライの味があたかも原了郭の香辛料「黒七味」の味であると誤解されてしまうということです。
■実際のパッケージはどうなっているの?
ロッテリアのご当地ポテトフライには、右下の方に小さく「京都黒七味風味」と表記されています。
引用:http://news.livedoor.com/article/detail/10546848/
確かに商品だけを見比べれば、ご当地ポテトフライは、香辛料とは似ていないものといえます。
しかし、ご当地ポテトフライに「黒七味風味」と表記されている場合、消費者は、どのように受け取るでしょうか。
「黒七味を使った味わい」という意味に受け取るのが自然ではないでしょうか。
さらに「京都」の文字もあることで、京都の老舗「原了郭」を知っている消費者は、原了郭の「黒七味」だと受け取ってしまう可能性はないでしょうか。
そうだとすると、原了郭が言っていることも頷けます。
商標権を侵害するかどうかを考えるときは、企業の視点ではなく、消費者がどう受け取るかという視点がとても重要なのです。
続きはまた後日のブログでお話します。
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