おはようございます。
弁理士の渡部です。
中国において商標権の侵害を理由にアップル社製「iPad」の販売が中止に追い込まれていることは、2012年2月21日の記事でお伝えしました。
その後、事件は大きな転換を迎えます。
今月、商標権の侵害を主張している企業「唯冠科技」が破産したことが明らかとなり、唯冠科技の債権者である中国銀行8社が「iPad」の商標権を含む同社の資産を既に差し押さえているとのことです。
そして、唯冠科技の破産を受けて、今度は、中国銀行8社が「iPad」の商標権を有することを主張しています。
中国銀行8社によると、アップル社が唯冠科技から商標「iPad」を購入する9ヶ月前に、中国銀行8社が既に唯冠科技の資産を差し押さえており、現在の商標問題は、アップル社と唯冠科技の問題ではなく、アップル社と中国銀行8社の問題であると説明しています。
事件が次々に複雑化していき、中国における商標問題がさらにクローズアップされそうです。