おはようございます。
弁理士の渡部です。
本日、事務所設立9周年を迎えました。
この日を迎えることができますのも、ひとえに皆様のおかげと心より感謝申し上げます。
当事務所を設立する前の13年間は、大手の特許事務所に勤務していました。
そのときは、今では考えられない程の量の仕事を日々フル回転でこなしていました。
それは、特許実務だけにリソースを割くことができる環境を当時の所長が作ってくれていたからなし得たことだと思います。
ところが、独立してからはそうはいきません。
看板を出しただけではお客様は来ません。
特許実務の経験が豊富でスキルが高いというだけでもお客様は来ません。
ご依頼の数や内容が変われば対応できるよう内部の様々なインフラを整備しなければなりません。
特許実務以外にそれらのことをすべてこなさなければ事業が回らないことに気がつき、当時の所長や職場の皆様に支えられ、自分の好きな特許実務だけに全力を投じられたのだということが分かりました。
振り返れば大変有り難い環境に所属させていただいていたわけですが、当時はその有り難さに気づいていなかったのです。
苦労を知り、初めて有り難さを知るということです。
では、独立することは大変なことばかりかというというとまったくそうではありません。
私にとって第2の人生ともいえるこの9年は、例えていえば、真っ白なキャンパスに自分で好きなように絵を描いてきたといえます。
前職では、特許実務というと、経験・知識・スキルの向上が最適解であり、一つの道をただひたすら進んでいくという感覚で、特許実務に色はないと思っていました。
ところが、そうではなく、事業には様々な色があることが分かりました。
そう思えるようになったのは、視点です。
前職では、特許実務をこなすことが使命だと思っていたのですが、今は、特許実務はお客様が抱える課題を解決する一つの手段に過ぎず、大切なことは、お客様のためにどのような貢献ができるかということです。
この視点で自分の使命を定義してみると、お客様ごとにその答えは異なり、事業という点ではいえば様々な色があることが見えてきたのです。
この9年で自分自身の大きな変化はまさに視点の変化ではないかと思います。
知的財産の仕事は、「新しさ」や「他との違い」を求められますので基本的に同じ仕事は来ません。
これに加えて、お客様ごとに事情や要望が異なり、そこに中心軸を沿えて仕事をしようとすると、例えば同じ商標登録の仕事でも、お客様ごとに正解へのアプローチが異なります。
知的財産の性質やお客様への視点を持つようになって思うことは、日々新しい仕事であると認識し情報を収集したり、お客様の事情を深く理解して正解を模索したり、新しい取り組みにチャレンジしたりすることが大切であり必要だということです。
昨年から飛躍的にご依頼をいただく機会が増えてきました。
このような視点・気持ちで地道に取り組んできたことが結びついているかもしれません。
この1年は、次の3つを大切に進みたいと思います。
1つ目は、お客様からのご要望には応えることです。
2つ目は、ご依頼が増えてもこれまでの取り組みはこれからも地道に続けることです。この取り組みこそが私の社会貢献ではないかと考えるからです。
3つ目は、自分自身の健康を大切にすることです。
来年9周年のコメントを書けるように、またこの1年を頑張って参りたいと思います。
ご支援いただている皆様に心より感謝申し上げます。