こんにちは。
弁理士の渡部です。
任天堂の新型ゲーム機「スイッチ」の話題で賑わっています。
私の子供もスイッチの動画にかぶりつきで、つられて私も何度も見ています。
わくわく感が伝わり、とても面白そうです。
任天堂は、3月3日に新型ゲーム機「Nintendo Switch」(スイッチ)を発売する。
スイッチは液晶画面のついた本体と左右に分割されたコントローラーで構成される。コントローラーには各種センサーが内蔵され、さまざまな操作に対応。微細な振動で手で触った感触を再現する機能も採用した。テレビに接続したり、携帯機としてプレーしたりすることも可能だ。希望小売価格は2万9980円。ゲーム機単体でも利益を出せる。
率直な感想としては、新しい価値を作りだそうとする任天堂の取り組みに熱い思いを感じました。
画面ではなく相手の目を見て体を使ってゲームを楽しむという、「Wii」のコンセプトのさらに上をいく新しい価値を提供しようとしています。
「今までになかった価値を新しく作り出す」と簡単にいいますが、新しい価値を消費者に受け入れてもらい、それをビジネスに載せるということは、どれほど大変なことでしょうか。
特許の仕事を通じて企業の新しい取り組みに触れる立場で見てきた経験で痛切に感じます。
市場に新しい価値を提供し続けることは事業において必須といってもよいでしょう。
しかし、新しければいいというわけではなく、それには条件があります。
提供する価値を消費者に受け入れてもらえること、です。
受け入れられなければビジネスとして成立しないからです。
消費者は新しいものを求めますが、自分が持っている価値観を基準にその良さを判断します。
消費者の価値観から遠すぎる価値は受け入れてもらえません。
消費者は新しいものを求めると同時に、自分の価値観と共感できる安心も求めているのです。
これを考えると、任天堂の「スイッチ」のコンセプトは今までの概念から大きく踏み出しています。
ビックリする価値を提供するものですので、大きく当たるかもしれないし、さっぱり当たらないかもしれない。
大きなカケに出たのではないかとの印象を受けました。
さて、「スイッチ」で気になって任天堂の特許を調べてみました。
1,475件も特許を保有しているのですね。
この中には「スイッチ」のコア技術に関する特許もあるのでしょう。
特に、体の動作をゲームに適切に反映するためには、体の動作を正確に検出しなければなりませんが、これは相当難しい技術です。
ユーザによって体の大きさも異なるし、ユーザの体に接しているのはコントローラーだけだし、コストの面からセンサーの精度や数にも制限があるでしょう。
特許の取りがいのある技術分野です。
任天堂がこのコア技術について特許を取得しているのであれば、「スイッチ」がもし大きく当たった場合に、他社の追従を牽制することができます。
「スイッチ」が大きく化けることを期待したいと思います。
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