おはようございます。
弁理士の渡部です。
昨日、私が担当する知的財産権の侵害訴訟事件について、弁論準備手続のために東京地方裁判所 に行ってきました。
弁理士にとって知財訴訟は、非常に貴重で重要な経験となります。
弁理士の大きな業務は、出願業務です。
特許庁 の統計資料 によれば、
特許の出願は、年間およそ34万件
実用の出願は、年間およそ 8千件
意匠の出願は、年間およそ 3万件
商標の出願は、年間およそ11万件
です。
合計で49万件にも上ります。
弁理士の数が約1万人 ですから、弁理士一人当たりに換算すると、年間およそ49件です。
これに対し、最高裁 の統計資料 によれば、
知的財産権の侵害訴訟事件は、年間およそ500件
と極めて少ない状況です。
同様に、弁理士一人当たりに換算すると、年間およそ0.05件。
つまりこれは、20年に1度の割合でしか担当する機会がないというのです。
もちろん、話を分かりやすく平均化してお話しているので、弁理士によって多い少ないが当然あります。
また、一般に訴訟額が大きいため、知財訴訟の経験のある弁理士に依頼が集中しやすいという現実もあります。
こうした状況のなかで知財訴訟を担当できるのは、弁理士にとって非常に貴重で重要な経験ですから、真実を深く探求してクライアントの利益のために全力で訴訟活動に当たることが、自らのスキルを高める上で大切です。