おはようございます。
弁理士の渡部です。
先週金曜、オプティムというIT企業の株価がストップ高となりました。
セキュリティ対策技術に関する特許を取得したと発表したことが要因です。
■どんな技術なの?
オプティムが取得した特許は、ウィルス対策ソフトをすり抜けて不正な遠隔ウィルスがPCに混入してしまった場合でも、不正な遠隔ウィルスに妙な動作があると、それを検出し、不正遠隔操作対策を行うことができるというものです。
遠隔操作をする場合に、サイバー攻撃側のPCから不正な遠隔ウィルスを呼び出す「API」に注目し、不正な遠隔ウィルスに対し「API」が呼び出されたときは、「妙な動作」があったとして、これを検出します。
PCに潜入すること自体は許容し、動作をするときに一網打尽にするという技術です。
不正な遠隔ウィルスによって個人情報等が流出するときの出口を叩くことで、「出口対策セキュリティ」と言われています。
■何がすごいの?
「出口対策セキュリティ」は、何も今回の発表で明らかなった技術ではなく、最近、メール等から潜入し大量の個人情報を流出するサイバー攻撃に対する対策として、予防効果が高く注目を受けている技術です。
オプティム社が取得した特許は、この「出口対策セキュリティ」の基本特許だということです。
基本特許ということなので、他社が出口対策セキュリティソフトを作ろうとすると、この特許を使わずに作るのが難しい、という影響力の大きい特許です。
競合のIT企業に対する影響が大きい基本特許を取得したことで、効果が高く注目されている「出口対策セキュリティ」の分野で一人勝ちする可能性があることから、これを好感し株価がストップ高となったと考えられます。
発表では、日本では特許になっているほか、米国、韓国、中国、欧州にも国際出願しています。
IT企業が、特許を取得したことで、ストップ高となるまで脚光を浴びるのは珍しいことなので、出口対策セキュリティの分野においてオプティム社の今後の動向が注目されます。
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