おはようございます。
弁理士の渡部です。
東京都の分譲マンションの一室が管理組合に無断で「脱法ハウス」に改築された問題で、港区赤坂のシェアハウス運営業者が主導したとして、責任を追及されています。
この件について、同シェアハウス運営業者は、自治体などに対し「居室ではなくベッドの一種」と説明しているようですが、この「脱法ハウス」について実用新案登録を受けており、その出願書類には、「小規模ながら居住空間としても機能する」と記載されており、同社の説明とは相容れない内容となっています。
自治体は、「今までの説明と食い違い、より『黒』のイメージが強まった」として、近く無断改築物件を再調査する意向を示しています。
出願書類に記載する事項は、特許庁の審査にだけ参照されるものではなく、他の法律との関係においても影響を与える可能性があるということです。
過去には、PL法との関係でも問題になったことがあります。
出願書類において、自社製品を従来技術として引き合いに出し、「従来技術はブレーキがきかない可能性があった。」「従来技術は火災のおそれがあった。」などの問題を指摘し、実際に自社製品で事故があった場合は、出願書類が参照され事故原因を認識していたとして、PL法の適用の判断で不利に扱われたケースもあります。
このように他に影響を与える可能性がある事項ですので、私は、出願書類を作成する場合は、他の法律等も考慮しながら後々不利にならないように十分な検討を重ねています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130806-00000017-mai-soci