おはようございます。
弁理士の渡部です。
商標は、使えば使うほど、法的に強い保護を受けることができます。
商標を付した商品・サービスが長年にわたって市場に提供されることにより、消費者の信頼が商標に蓄積され、ブランドが大きくなります。
そして、大きなブランドを保護するためには、強い保護が必要となるからです。
このような商標を「周知商標」といい、そうでない普通の商標とは区別されています。
商標出願の審査においても、周知商標は特別です。
商標が似ているかどうかの審査において、周知商標を含む商標は、原則として周知商標と似ていると判断されます。
例えば、「フェイスブック」という商標は、フェイスブック社の周知商標ですが、第三者が「フェイスブック倶楽部」というような商標を出願しても、周知商標「フェイスブック」の文字を含むから似ているという理由で登録を受けることができません。
このように、似ている範囲が広く認められるのは、フェイスブック社のブランドが大きく、第三者のちょっとした行為によって傷つけられてしまうからです。
ただし、「含む」といっても、ありとあらゆる商標が認められないわけではありません。
一つの例外として、周知商標の部分が既成の語の一部となっている場合は、「含む」とは解釈されません。
どういうことかといいますと、例えば、周知商標「セガ」に対し、「せがれ」という商標は、息子という別の意味が生じるので、似ていないと判断されます。
話題となっているあの「面白い恋人」という商標も、周知商標「白い恋人」との関係においては、この例に当たるでしょう。
これが商標実務での考え方ですが、皆さんの感覚はいかがでしょうか。