おはようございます。
弁理士の渡部です。
商標をとるメリットは何か。
を聞かれることがあります。
このようなご質問を受ける場合、前提として、
「今まで商標登録せずに使えているのだから、これからも使えるだろうし、殊更お金をかけてとる必要があまりないのではないか。」
というお考えが大抵あります。
このように考えている方に、「第三者に商標を取得されると、突然明日から使えなくなるかもしれませんよ。」と言っても、あまりしっくりとこないようです。
商標には、大きく2つの「機能」があります。
1.独占使用
商標登録を受けていれば、他人の商標権との関係を気にすることなく、その商標を堂々と使用することができます。
2.他人の使用を排除
商標登録を受けていれば、他人がその商標を使用することを禁止できます。
1は、保険的な機能ですが、何十年も同じ名前を使っている老舗企業にとっては、自分の商標を堂々と使えるお免状を得ることは価値があります。
商標権は更新する限り半永久的に存続しますから、将来にわたって使用できることが保証されるのは安心だからです。
多くの場合、このような安心を得ると、ホッとして終わってしまいます。
ですが、商標を保険的な機能だけで終わらせてしまうのは、実はもったいないのです。
商標は、ブランドを育てるツールとして活用することができます。
これを実現する機能が正に第2の機能となります。
ブランドを育てるために商標をツールとして活用すること、これが商標による「知的財産経営」ということになります。
商標をとるメリットは何か。
それは、ブランドにより事業収益を増大できることです。
目先の効果ではなく、事業者の方にはぜひこれを理解していただければ、事業をより大きく発展させることができると思います。