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商標を活用したビジネス

おはようございます。
弁理士の渡部です。


世の中には、商標を積極的に使ったビジネスが行われています。
ご存じでしょうか。


有名なのは、皆さんもご存じのNHKです。
NHK(正確には、NHKエンタープライズ(以下、NEP)という関連会社)は、大河ドラマや朝の連続ドラマ小説を放映する前に、その縁の人や地に関する商標を出願します。


例えば、皆さんもよくご存じの「篤姫」。
「篤姫」は、2008年1月6日から同年12月14日にかけて放送された47作目の大河ドラマですが、NEPによって、「篤姫」という商標が、その放送前の2006年に既に出願されています。
商標を使う商品としては、キーホルダー、貴金属、時計、文房具類、紙製幼児用おしめ、紙製ハンカチ、新聞、雑誌、肉製品、卵、豆腐、納豆、菓子、パン、茶、コーヒー、ココア、ビール、清涼飲料などを申請しています。
これらの商品はどれも、NEPが実際に販売する商品を意図していません。


では、それは一体どういうことでしょうか。


実は、NEPという会社。
大河ドラマや朝の連続ドラマ小説に関する商標権を他人に先駆けて取得し、その縁の地域を活性化するという名目で、「篤姫」縁の地にある企業や商店に商標「篤姫」を使わせ、ライセンス収入を得ているのです。


最近では、「ウェルかめ」の例がありました。
ウェルかめは、9月から始まる朝の連続テレビ小説ですが、この商標も、その放送前の2009年1月にNEPによって出願されています。


また、2011年のNHK大河ドラマの主役に、湖北地域を治めた戦国武将・浅井長政の三女・お江が決まった後、湖北町の町民出資による街づくり会社「まちづくり湖北」が、3人娘の呼称「浅井三姉妹」という商標を出願しています。


さて、皆さん、これをどう思われますか。


実は、商標権は、他人に同じ又は似た商標を使わせないという強力な権利である一方で、一種の財産権でもあるのです。
このように、実際には自分で使わなくても、他人に許諾して使わせ、ライセンス収入を得るということは、財産権の活用方法として法的に認められています。





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