おはようございます。
弁理士の渡部です。
最近話題の「地理的表示保護制度」。
「農林水産物・食品等の名称で、その名称から産地を特定でき、品質等の特性が産地と結び付いていることを特定できるもの」を登録することにより、国のお墨付きをもらえるという制度です。
お墨付きの印は「GIマーク」。
引用:http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/sosyutu/img/2logo.jpg
このマークを付けることによって品質を管理している証となり、他の産品との差別化をはかり、自分たちのブランドを守ることができるということです。
これは、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」を筆頭に、「日本」というブランドを守るための制度の一つです。
「ジャパンブランド」「クールジャパン」等日本を世界に売り出す政策のコンテンツの中には、食だけではなくアニメやマンガ、ファッションなど日本の文化も含まれます。
これらは“日本の価値を高める”ブランド化政策といえるでしょう。
ところで、この「ブランド」を確立させるために私たちができる手段の一つとして、企業名や商品名などを「商標登録」するという方法があります。
もちろん、他と差別化できる商品やサービスがあることが前提となりますが、自社の商品やサービスを見直してみると、意外と見落としている“ブランド化できるもの”があるかもしれません。
古都京都、鎌倉、箱根など老舗の商品やサービスの中には商標登録されることなく何十年、何百年と使用されている名称やロゴマークなどもあるようですが、権利化されていない場合、もし模倣品が出てきても法的に対抗できる手段が少なく、大きな損害につながるおそれがあります。
自社のブランドを守る方法の一つとして、商標出願を考えてみるのも企業価値を高める“ブランド化”の第一歩になるのではないでしょうか?