おはようございます。
弁理士の渡部です。
特許出願の審査は、平均で9.6ヶ月かかっています(2014年実績)。
これを早期に行ってもらえる制度があります。
早期審査制度です。
早期審査制度は、誰でも受けられるわけではないのですが、個人や中小企業であれば受けることができます。
今回取り上げたいのは、あまり例を見ない子供が行った特許出願についてです。
子供の特許出願についても、「個人が行った特許出願」であるので早期審査の対象となります。
早期審査を申請すると、通常9.6ヶ月かかるところ1.9ヶ月で審査結果が得られます。
私たちが依頼を受けている特許出願も早期審査を申請した場合は、早いものでは1ヶ月、遅くても2ヶ月程度で審査結果が通知されます。
ところが、子供の特許出願については、私の知る範囲では6ヶ月程度かかっています。
空き缶の分別の特許で話題となった小学生の特許出願も6ヶ月かかっています。
件数自体が少ないのでたまたまなのかもしれませんし、早期審査のガイドラインにも子供の特許出願を特別に取り扱うことは記載されていません。
私たちは、特許庁が発表している期間を目安にお客様に進捗予定を伝えています。
お客様もその予定で今後のスケジュールを立てていきます。
発表等の予定があれば、それに合わせて手続の時期を調整するわけです。
このように、発表されている期間から大幅に遅れる事態を「予測可能性を損なう」といいます。
平均は1.9ヶ月だが個別の内容により前後はある、と考えるかもしれませんが、私たちが携わる法律の世界は、予測可能性が確保されることが大変重要な意味を持ちます。
平均1.9ヶ月でも6ヶ月ものバラツキが生じることは制度としての意味が問われてしまうのではなかと懸念します。
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