おはようございます。
弁理士の渡部です。
本日は、先のブログ「商標登録で2回目の通知、審査官の真意はどこにあるのか」の続きです。
どちらの選択肢も商標登録を取得する可能性がありますが、2つの選択肢がある場合は、顧客が負担する費用やリスクの点を考えて提案を行うことができます。
専門家としては、費用やリスクがより少ない選択肢を顧客に提案することが求められています。
反論の選択肢は、審査官の認定に反対する対応なので認められず拒絶が確定してしまう可能性がゼロではなく、これはリスクになります。
一方、審査官の認定を尊重する選択肢は、法律上は必ずしも正しい判断を経るものではないですが、その判断によって登録後も顧客に不利益がないのであれば、審査官の認定に沿う対応なので商標登録になる可能性が高くなります。
費用の点からも2つ目の選択肢が顧客にとってよいと考え、顧客と相談したところ2つ目の対応で進めることになりました。
商標の仕事は、ずいぶん長いことやっていますが、事前に判断したことがすべての案件において100%合っているということはありません。
審査官という人間を相手に仕事をするからです。
私たちの仕事は弁理士と顧客の関係だけで完結するものではなく、顧客、弁理士、審査官の異なる視点で問題点を一緒にクリアして商標登録を成立させるという取り組みを行っていると考えています。
その過程で正当性を多少曲げたとしても、最終的に顧客の利益が確保できればそれが一番だと考えています。審査官もきっと同じ気持ちではないでしょうか。
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