おはようございます。
弁理士の渡部です。
先週、弁理士試験論文試験の最終合格発表がありました。
弁理士試験は、短答試験、論文試験、口述試験の3つからなり、今回発表があったのは、3つの試験をすべて合格した合格者の発表です。
今年度は、受験者数4,798 人に対し、合格者数は319 人であり、合格率は6.6%となりました。
合格された方は、本当におめでとうございます。
弁理士試験に合格すると、すぐに弁理士になれるかというとそうではなく、実はもう一つの関門があります。
実務修習という、弁理士の実務能力を養うための研修で、12月から3月までの期間行われます。
こうした研修を受講すると、弁理士登録する資格が得られ、弁理士登録することによって晴れて弁理士になれます。
弁理士試験の願書を提出するときから考えると、遠い遠い道のりです。
実務修習は試験ではないので試験に落ちるという不安はないですが、決して楽なものではありません。
授業だけでも72時間もの時間がかかり、その上たくさんの課題を提出しなければならないので、実際にかかる時間はそれ以上です。
費用負担も決して軽くありません。
しかし、これから弁理士になって活躍する合格者にとって実務修習は貴重な機会でもあります。
弁理士の実務能力は、これまで特許事務所などに勤務し先輩弁理士に長年かけて指導してもらいながら身につけていたものですが、昨今は、なかなかこうした体制を維持するのが難しくなり、新人の弁理士が実務能力を身につける機会が減少してしまいました。
そうしたなかで実務修習という制度は、実務能力を身につける貴重な機会の一つとなっているからです。
一端(いっぱし)になるにはどのみち乗り越えなければならないものですから、吸収できるものは余すところなく吸収するという前向きな姿勢でぜひチャレンジしていただきたいと思います。
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