おはようございます。
弁理士の渡部です。
昨日、小田原にある工芸技術所を訪れました。
寄木細工、細木細工、鎌倉彫、小田原漆器、大山コマなど、木材を使用した伝統ある工芸品について、デザイン・加工技術・塗装の各技術分野から、物づくり支援、研究開発、技術情報連携・交流を事業として行っている団体です。
近年、工芸品の需要が低迷しているなか、工芸品の技術を工業の分野に応用する新たな試みが行われています。
その一つが、「木」の振動板です。
日本ビクターは、工芸技術所とタイアップし、振動部分に「無垢の木材」を使用した、独自の新しいヘッドホンを開発しています。
僅か80μmの薄さにスライスした木材を振動板としてドーム型に成型加工することで、木材が持つ優れた音響特性のヘッドホンを開発・製品化しました。
工芸品の分野では、木象嵌を「ズク」と呼ばれる薄いシート状にするため、木材を薄くスライスする技術が昔から小田原・箱根地域で工芸技術として用いられています。
今回のヘッドフォンの振動板は、この木材を薄くスライスする工芸技術を応用することに成功し、製品化に結び付いたというわけです。
安定して木材をスライスするために、木目を見極めて加工している木工職人の技術を採り入れています。
木材が持つ優れた音響特性をぜひ一度体感してみてはいかがでしょうか。
http://www.kanagawa-iri.go.jp/wp-content/uploads/filebase/results/2012/2012_34.pdf