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水と氷の狭間で

おはようございます。
弁理士の渡部です。


水を冷やすと氷になります。
水から氷に変化するときに、状態はどうなっているのでしょうか。


水の一粒一粒に着目して考えたときに、ある水の粒が氷に変化し、他の水の粒はまだ水のまま。
水の粒が多く氷の粒が少ない状態から徐々に冷やしていくと、水の粒が少なく氷の粒が少ない状態になり、やがてすべての粒が氷になって全体が氷になる、なんて思っていました。


このように水から氷に姿を変える現象について、氷と水の区別がなくなる新たな臨界点が存在することが岡山大学の研究で明らかにされました。
この臨界点を「固液臨界点」といいます。


固液臨界点


固液臨界点とは、先ほどのように、水の粒が半分くらいあって氷の粒が半分くらいあるような状態ではなく、氷と水の区別がなくなる状態ということのようです。


「ことのようです」というのは、これまで固液臨界点はいかなる物質に対する実験でも見つかっておらず、理論的にも存在が否定されていたので、固液臨界点がどのような状態なのかが明らかになるのはこれからということです。


固液臨界点は、これまでの概念を覆す新しい状態が発見されたというだけでなく、固液臨界点では、特異な物理現象が起こることで注目されています。


発表では、固液臨界点では、密度やエネルギーゆらぎが大きくなることが予想され、密度やエネルギーゆらぎを利用した新たな化学反応の開拓が期待されているとあります。


具体的にどのような応用なのかはこれだけでは分かりにくいのですが、例えば、水とも氷ともどちらともいえない新食感のアイスなんていうのも、将来は開発されるかもしれませんね。


固液臨界点という発見そのものは特許の対象とはなりませんが、これを応用した技術については特許の対象となります。
固液臨界点での特異な物理現象を応用した製品などについて特許の取得が今後注目されるでしょう。





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