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特許の保護期間

おはようございます。
弁理士の渡部です。


特許権の保護期間は、原則、特許出願の日から20年です。


原則とあるので、特定の分野について一部例外があります。


医薬品の特許については、市場に流通させる前に薬事法の審査を受けなければならず、特許が取得できても、特許製品を販売できない事情があるので、そのような特許については、特許取得後に販売ができなかった期間に限り、最大で25年まで延長することができます。


例えば、特許取得後3年間販売できなかった場合は、20+3=23年となり、7年間販売できなかった場合は、min(20+7,25)=25年となります。


現在のところ、薬事法の規定に基づく医薬品の特許のほか、農薬取締法の規定に基づく農薬の特許の2つが対象です。


さて、特許権の保護期間は、上記2つの分野は別として、分野(業種)にかかわらず20年と定められています。


しかし、特許といっても、化学系のように開発に膨大な時間と費用を投じて取得された特許もあれば、IT系のようにアイデアだけで取得された特許もあり、これらを一律に取り扱うのはどうかという議論もあります。


米国では、パテントトロールが、IT系のように取得に時間・費用がかからない特許に着目し、企業に対してトラップを仕掛け、特許紛争による賠償金を得ることを目的に活動していることが社会問題となっています。


米国の影響を受けやすい日本において、米国のような状況がいつ起こってもおかしくありません。


その一つのコントロールの手法として、分野(業種)ごとに特許の保護期間等を変えるという考えがあります。


取得が容易な特許は、保護期間を短く賠償金を小さく差止の敷居を高くし、逆に取得が困難な特許は、保護期間を長く賠償金を大きく差止の敷居を低くするということです。





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