おはようございます。
弁理士の渡部です。
現在、特許は、基本的に国ごとに取得する必要があります。
例えば、日本で特許を取得しても、アメリカで出願していなければ、アメリカでは特許による保護を受けることができない、ということです。
グローバル化した今日、商品は、国境を越えて柔軟に移動します。
ある国で特許を取得し、模倣品に対し権利行使をしても、特許のない隣の国に同じ模倣品を持って商売をされると、容易に逃げられてしまいます。
新興国の企業のなかには、進んだ技術をもつ企業の特許公報を参考にして商品を作り、相手企業が出願していない国を選んでそこに輸出して稼ぐ戦略をとっている企業もあります。
ならばこちらもあらゆる国で特許を取得する戦略をとればよいかというと、それには膨大な費用がかかります。
日本、アメリカ、ヨーロッパで特許を取得し20年間維持すると、1件あたりおよそ1000万円かかるといわれています。
通常の企業は、とてもすべての国で特許を取得する体力(予算)など持ち合わせていないのが現状です。
特許は事業上の武器となることは間違いないのですが、このような国境問題が存在するので、国際展開する場合は戦略を立てて進めることが重要です。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2731