おはようございます。
弁理士の渡部です。
特許には、商標や意匠にはない「審査請求制度」という特別の制度があります。
つまり、特許出願しただけでは審査をしてもらえず、特許出願後に「審査請求」という手続を別途行うことにより、初めて審査が開始されるという制度です。
ただし、審査請求が行われたからといって、直ちに審査が開始されるわけではありません。
審査官は、審査請求が行われた順番に審査を進めていくので、自分より前に行われた審査が完了するまでは、審査に着手してもらえません。
これまで、審査請求を行ってから審査官が審査に着手するまでの平均的な時間は、25.9ヶ月でした。
このたび、特許庁は、日本国内で迅速に特許の審査を行い、特許が得られた場合に外国出願に進められるように、この期間を11ヶ月まで短縮することを決めました。
外国出願は、出願日から1年以内に行わなければならないので、この運用が効果を上げれば、特許出願と同時に審査請求をした場合は、最短で11ヶ月目に特許が得られ、特許取得の結果を得て1年以内に外国出願を行うことができるようになります。
これまで国内で特許になるかどうか分からない状況で外国出願を行っていた企業にとっては、外国での権利化の予見性をもって外国出願を行うことができます。
リスクを軽減することができるので、大きなメリットです。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0201S_S3A600C1MM8000/