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特許10年目の壁

おはようございます。
弁理士の渡部です。


特許は、最大で20年間の有効期間がありますが、10年目に大きな壁を迎えます。


それは、特許庁に収める年金です。
特許を取得すると、毎年、特許庁に年金を納めることになっています。
有効期間内であっても年金を納めなければ特許が消滅しますので、特許を維持するためには年金を納めなければなりません。


年金は段階的に増額されていき、9年を超えると、急激に負担が大きくなります。


第10年~第20年の間で納める年金(後半11年分)は、第1年~第9年の間で納める年金(前半9年分)の約7倍にもなり、20年間で納める年金の総額の88%にもなります。


特許の維持年数と年金の関係


なぜこのような設計になっているとかというと、特許を取得したばかりの初期の段階は、特許製品が市場に受け入れられるかどうかが不透明だったり、事業の立ち上げ時であったりすることから、企業の負担が少なくなるように低額に設定されています。


これに対し、9年を超えて特許を維持する場合は、その特許で収益性が確保できていると見込めることから、初期の段階よりも高く設定されています。


すなわち、毎年均等額を支払うよりは、初期の段階での負担が軽減されるように傾斜を設けることにより、事業の実情に合わせた負担となるように設計されています。


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