おはようございます。
弁理士の渡部です。
先日、友人のもとを訪ねました。
彼は、私と同じ弁理士であり、1年半前に独立開業し、現在、東京で自分の事務所を構えています。
独立開業時に一度お会いしたきりで連絡がなかったので心配していましたが、元気にやっている姿を見て安心しました。
そのときに、独立開業してから1年半の活動を聞かせていただきました。
最初の1年目は、2~3件の仕事しかなく、食うに困る生活に陥ったこともしばしばあったとか。
事務所の立地を変えて2年目、いろいろと試行錯誤したなかでようやく問い合わせがくるようになり、現在は、問い合わせから少しずつ仕事に結びついている状況のようです。
私は、彼の話を聞き、ふと、自分の師匠から教えていただいた「死の谷を渡るアクションプログラム」というお話を思い出しました。
これは要約すると、このような話でした。
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金なしコネなし顧客なしで独立すると、時に「死の谷」を渡ることになる。
君は、驚くかもしれないが、この「死の谷を渡るアクションプログラム」を考えないように最初からプログラムされているのだ。
弁理士は、いわゆる「頭のよい人」の部類に入るといわれている。
「頭のよい人」は、テストでよい成績を収めることができる。
どうするかというと、瞬間的にできる問題とできない問題を選別し、できない、又は時間が掛ると判断した問題には手を出さず、瞬間的にできると分かる問題から着手し、それらをきっちりと片づけていく。
そうすれば高得点が得られることを知っているからだ。
このような訓練を長年積んできた君は、目の前にある即答できる仕事にばかり取り組むが、その忙しさを理由に、できるかどうか即答できない「死の谷」をどう渡るかという問題については、いつまでたっても手を出そうとはしない。
しかし、独立した以上、「死の谷を渡るアクションプログラム」は、身に付けておくべき必須のスキルである。
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彼がこの1年半の間にどのような苦労をしたのかは分かりませんが、一つ言えることは、自らのプログラムを意識的に書き換える努力をし、「死の谷を渡るアクションプログラム」を実行したということです。
彼は、金なしコネなし顧客なしで独立し、大きな壁にぶつかりましたが、そこで足を止めることなく、打開策を必死に考え実行し、現状を好転させたのです。
今後も大変なことは続くかもしれません。
けれども、一つの「死の谷」を渡った彼ならば、これからもきっと「死の谷」を渡ることができるでしょう。
彼の話を聞き、私も、日常に甘んじ惰性で過ごすのではなく、日々自らを律し精進しなければならないと深く感じ入りました。