おはようございます。
弁理士の渡部です。
知的財産は、無体財産ともいい、目に見えない財産のことです。
私は、この目に見えない財産を守り育てる仕事をしているのですが、目に見えないが故に、事業者の方に理解をいただくのに苦労します。
知的財産は、活用の仕方によって大きな利益をもたらします。
特許の訴訟で○○億円などという記事を新聞で見かけると思いますが、あれも、知的財産を活用した結果です。
商標でも、ブランドを大きく育て、同じ商品であるにもかかわらず、ブランドにより年々利益を上げている事業者もいます。
しかし、知的財産を扱うには「壁」があります。
それは...。
・知的財産は守り育てるのにリスクを伴います。
このリスクを回避するため、事業者は、一つ一つの局面において毅然とした「意思決定」を行う必要があります。
専門家に依頼すべきことと、事業者にしかできないことがあり、事業者にしかできない意思決定は、自らきちんと行う必要があります。
・知的財産は守り育てるのにコストがかかります。
事業者は、このコストを、将来利益を生み出すための「投資」と考えることが必要です。
・商標など目に見えるものに捕らわれてしまい、本質を忘れてしまいがちです。
事業者は、常に、知的財産こそが利益を上げる存在であると位置づけ、目に見えないものを意識する必要があります。
商標でいえば真に意識すべきは、商標ではなく、目に見えないブランド(顧客からの信用)という知的財産なのです。
私は、これを行ってもらうために、2つのアプローチをしています。
一つ目は、事件を通じて事業者の方に知的財産に関する知識を学んでもらうことです。
そのために、私は、専門的なことでも、その都度、事業者が理解できるように丁寧に分かりやすく説明するように心がけています。
理解度が上がれば、「何が大切なのか」が見えてくるはずです。
二つ目は、成功体験の積み重ねです。
そのために、私は、勉強に多くの時間を割き、トライ&エラーを繰り返しながらも最終的には事件を成功に導けるように、信念と努力をもって一つ一つの事件に全力で当たっています。
成功体験を積み重ねれば、目に見えないものが信じられるようになります。
こうすることで、事業者が「壁」を乗り越え、知的財産を活用し利益を上げるというゴールに辿り着けば、私の役目の一つは果たせたのではないかと考えます。