おはようございます。
弁理士の渡部です。
アメリカの衛星放送会社がデジタルビデオレコーダーに自動CMスキップ機能を追加したところ、この機能が著作権侵害にあたるとして、アメリカの大手ネットワーク会社が提訴しました。
デジタルビデオレコーダーの録画機能は、ネットワーク全番組を録画しておき、放送後8日間はいつでも視聴することができるというものです。
自動CMスキップ機能によれば、録画後の翌午前1時以降、自動でCMをスキップして再生することができます。
大手ネットワーク会社が提訴に踏み切った背景には、自動CMスキップ機能により、広告収入の減少による番組制作費が圧迫される危惧があるようです。
我が国では、どうでしょうか。
他人の著作物の一部を削除した場合、同一性保持権の問題がでてきます。
例えば、著作物である論文において、疑問符、感嘆符、読点を削除したり、改行を省略したりするなどの行為をすれば、これらの行為はすべて、原則として、著作者の有する同一性保持権を侵害するものと解されます。
番組とCMが一つの著作物である場合は、同様の問題として議論することができますが、通常は、別々の著作物であると考えられますので、著作権侵害を追求するのは難しいのではないでしょうか。