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著作権譲渡契約「未知の支分権」

おはようございます。
弁理士の渡部です。


本日は、先のブログ「著作権譲渡契約『移転登録』」の続きです。


著作権の譲渡契約を締結した後、法改正により新たな支分権が創設された場合、過去の譲渡契約によりこの支分権も譲渡されるかどうかが問題となります。


ここでいきなり「支分権」という言葉がでてきましたので解説します。
著作権は、複数の権利の集合です。例えば、著作物をコピーできる権利は複製権といい、著作物を翻訳できる権利は翻案権といいます。
このように複数の権利が束になって著作権ができ上がっています。
この束となる権利の1つ1つを支分権といます。例えば、譲渡権は、平成12年に創設されましたが、それ以前の譲渡契約によって譲渡権も譲渡されるかどうかが問題となります。


そこで、著作権譲渡契約書においては、「著作権その他の著作物に関する一切の権利を譲渡」と包括的に契約で規定することが望ましいでしょう。


契約で明示の定めがない場合は、契約時の事情、業界の慣習によっては譲渡が認められる場合もあります。
参考までに、ソニーミュージック事件では、明示がなくても譲渡が認められました。これに対し、怪傑ライオン丸事件では、明示がないことで譲渡が認められませんでした。


次回は、「著作権譲渡契約『著作者人格権不行使特約1』」についてお話しします。



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