おはようございます。
弁理士の渡部です。
本日は、先のブログ「ブランド化のためのネーミング」の続きです。
ブランド化に適したネーミングの条件として、顧客が覚えやすいネーミングであることを説明しました。
覚えやすいという点で代表的な工夫は「短くシンプル」という点です。
短くシンプルなネーミングにすることが覚えやすさの第1歩となります。
次の2つのネーミングを比較してみてください。
どちらが記憶に残るでしょうか。
・ソニー
・ブロードウェイ・ミッドタウン・ミュージック
皆様の経験からも長い名前はそれだけで覚えにくいのではないでしょうか。
顧客としては、世の中に覚えたいブランド名が数多くあるなかで、あなたの長いネーミングのために、これを覚えるための頭のメモリをたくさん使わなければならないイメージです。
この観点で大企業が使っているネーミングをみてください。
ソニー、AU、イオン、エルメスなど、短くシンプルなネーミングが見つかると思います。
また、「どんなブランド名が思いつきますか?」と問われたときに、パッと思いつくブランド名は結構、短くシンプルなネーミングが多かったりするはずです。
ですから、ブランド化に適したネーミングにするには、短くシンプルにすることが重要です。
一方、商標登録を取得しやすいネーミングという点では、一般的に短ければ短いほど取得しにくくなります。
短いネーミングはバリエーションが多くないこと、ブランド化に適していることから、既に多くの企業に商標登録が取得されているからです。
すなわち、短くシンプルなネーミングについては、顧客が覚えやすいが商標登録が取得しにくいというトレードオフの関係にあります。
大切なことは、トレードオフの関係があることを知っていることです。
これを知っていれば、短くシンプルなネーミングを採用するためには、思いつきでパッと決めるのではなく、たくさんの候補のなかから商標調査を行って絞り込むという作業をしなければならないということが分かります。
次回は、「覚えやすいネーミング~見た目・読み方・意味でみる~」についてお話しします。
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