おはようございます。
弁理士の渡部です。
「長崎カステラ」は、皆様もよくご存じの長崎県の銘菓であり、地域団体商標として登録が認められています。
「長崎カステラ」の長い歴史からすると、登録を受けたのが2006年ですから、そこに至るまでに数々の苦労がありました。
歴史を紐解くと、カステラは、ポルトガル人により伝えられ、以来、長崎の職人達により日本人の食感に合うように改良に改良がなされ、現在のようにしっとりとした風味のある長「崎カステラ」として長崎市から長崎県全域へと伝えられてきました。
それ以来、「長崎カステラ」の製法が、九州から全国域へと広まり、多くの菓子業者が製造し、「長崎カステラ」の商標を使用して販売するようになります。
しかし、中にはとても長崎カステラの品質としては黙認できないような商品も出回っています。
長崎ブランドに便乗する目的で本商標を粗悪品に付して販売している第三者がいても、これに対抗することが困難でした。
長崎にとってカステラは長崎銘菓として特別な存在であり、一つの対策法として商標登録によって何とか保護できないかと考え、一度は、「長崎カステラ」を出願しましたが敢えなく拒絶された経緯があります。
そんな折、2006年の商標法改正により地域団体商標として保護できるようになったことをきっかけに、「長崎カステラ」の登録を目指し無事登録を受けることができました。
商標登録は大きな成果を上げます。
認定審査会や技術講習会などがテレビ、新聞各社により報道され、一般消費者からの地域団体商標「長崎カステラ」に対する反応が多数寄せられました。
結果として、長崎ブランドに便乗する目的で本商標を粗悪品に使用する者との差別化が期待されます。