おはようございます。
弁理士の渡部です。
「製品を2倍の価格で販売するために商標登録をどう取得したらよいか。」という話がありました。
まず、大きな誤解が含まれている気がしましたので、商標登録を取得することは、2倍の価格で購入されるための条件の一つですが、商標登録を取得したからといって2倍の価格で購入されるものではないという前提を説明した上で回答しました。
製品の優位点は、他社製品よりも優れた美味しさという点です。
しかし、「競合製品よりも優位であること」と、「製品の価値が相場によって判断されること」とは別の話であり、相場において消費者に高い価値を認めてもらうには、相当の付加価値が必要です。
消費税が数パーセント上がっただけでも、消費者は買え控えをします。
1番美味しいものを高い値段で買うよりも、次に美味しいものを安い値段で買おうという消費行動は考えられますが、消費税増税後の消費低迷をみると、値段が高いなら(他の製品も含め)買わずに我慢しようと考える消費者が少なくないということです。
「100円のコーラーを1000円で売る方法」という本があります。
1000円で売りたい人がたくさんいることは分かっていますが、1000円で売れていない事実もまた分かっています。
同著書の内容はとても意義のある内容ですが、パラダイムを転換するだけでできるような簡単なことではない、という認識が重要です。
さて、製品の付加価値を上げる一つの手段として、ブランド戦略があります。
美味しさを含め製品の品質を高め、品質とメッセージを統一し、それを消費者に伝えていく。
そして、製品の販売を通じて消費者の満足と評価を形成し、製品のブランドを高める。
ブランドが高まることによって製品に付加価値が生まれ、相場における需要を喚起し、高い価格で購入されるという流れを作り出すものです。