おはようございます。
弁理士の渡部です。
政府は、毎年、我が国の知的財産創造、保護及び活用に関する施策について計画を作り、この計画をもとに施策を推進しています。
今年も、「知的財産推進計画2016」という名前でその計画を作る予定となっています。
各年の知的財産推進計画にはそれぞれの目玉があるのですが、知的財産推進計画2016では、なんと、AI(人工知能)が作った知的財産について知的財産権をどう取り扱うかということを目玉にすることが報道されています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160509-00000144-jij-bus_all
例えば、著作権法では、著作物を創作した「人」が著作権を取得する決まりとなっているので、著作物に基づく権利が「人」以外から発生することは想定されていません。
特許法、実用新案法、意匠法についても同様です。
しかし、現在においては、AIが楽曲や歌詞を作ることもあり、AIが作った楽曲や歌詞の著作権が一体誰のものになるのかといった問題があります。
AIのものか?という考えもあるかもしれませんが、人や法人以外が権利を有するというように法律を作り替えるのは制度の根幹にかかわるので難しいと考えられます。
おそらく、知的財産推進計画2016では、AIが作った著作物の著作権は、AIを制作・運用・管理する人や法人が取得できるように計画されているのではないかと考えます。
それにしても、これまでモノを創る「創作」という行為は「人」にしか行えないとされてきた前提をひっくり返すことになりますので、大きな改革となることは間違いなさそうです。
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