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JASRACの著作権料徴収「法律ではなく仕組みとして」

おはようございます。
弁理士の渡部です。


本日は、先のブログ「JASRACの著作権料徴収『権利内で戦うか権利外で戦うか』」の続きです。



引用:音楽教室から著作権料徴収へ JASRAC方針、反発も


ヤマハや河合楽器製作所などが手がける音楽教室での演奏について、日本音楽著作権協会(JASRAC)は、著作権料を徴収する方針を固めた。徴収額は年間10億~20億円と推計。
著作権料を年間受講料収入の2・5%とする案を検討している。



音楽教室が著作権料を徴収された場合、その著作権料は結局、生徒の月謝に反映されます。
お稽古代の値上げにつながります。


とはいえ、例えばエステのお店で楽曲を流した場合は、著作権料はエステ代に反映されます。
これを考えると、音楽教室も他の事業と同じフィールドに乗っただけの話です。


異なる点は、子供たちに対し音楽教育を行っている点です。
お稽古代が値上がれば、経済的事情から音楽教育を受けられる子供の人数が減ることも出てくるでしょう。
ですので、今回の著作権料の徴収が、子供たちの教育機会の縮小につながらないように配慮することが必要になってくるでしょう。


法律を改正して対応することも可能ですが、その前に仕組みの上で工夫することも十分可能です。
例えば、ジェネリック医薬を選択できるのように、子供たちが授業において著作権のある楽曲とライセンスフリーの楽曲を選択できるようにするとか。


ジェネリック医薬が選択できるようになってよくなったことは、薬代が安くなるという直接的な効果もありますが、薬の開発には非常にお金がかかり特許で保護されていることを知ることができたという知識普及の効果もありました。
ですので同様に、子供たちが著作権のある楽曲とライセンスフリーの楽曲を選択できるようになることは、子供たちが著作権に関する知識を深め、他人の著作権を尊重する意識を持つようになるという教育的な効果が期待できるでしょう。


年間10億~20億円のお金が動くことになるので音楽教室団体には争う事情もありますが、子供たちを置き去りにすることなく、こうした仕組み作りにも力を入れていただきたいと考えます。 



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