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TPP協定を担保するための商標法改正

おはようございます。
弁理士の渡部です。


先のブログ「TPPで商標法の損害賠償額引き上げへ」でお伝えしたように、TPP協定を担保するための商標法改正が、特許庁の産業構造審議会で検討されています。


TPPでは、商標の不正使用について、法定の損害賠償又は追加的な損害賠償の制度を設けることが参加国に義務づけています。


すなわち、参加国は、次の(1)か(2)のどちらかを国内の法律で規定する必要があります。


(1)法定の損害賠償の制度
(2)追加的な損害賠償の制度


我が国において商標権侵害の損害賠償については、民法の損害賠償の規定に基づいて算定されますが、我が国の民法では、商標権の侵害により実際に生じた損害の賠償のみを認め、これを超える賠償を認めていないというのが原則となっています。


このため、我が国では、上記(2)は民法の原則から外れてしまうことから採用することが難しく、上記(1)を採用することで検討が進んでいます。


具体的には、商標の不正使用による損害の賠償を請求する場合において、商標登録の取得及び維持に通常要する費用に相当する額を損害額として請求できる規定を追加することが検討されています。


例えば、商標権を侵害された商標登録を取得するのに20万円かかり、これを5年間維持するのに5万円かかったとすると、25万円は、商標権者が損害額を立証することなく請求することができるという内容です。



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