こんにちは、弁理士の渡部です。
新型コロナウイルスの脅威により、当たり前だと思っていた日常のありがたみを実感している方も多いのではないでしょうか。
経済的にも厳しい状況が連日報道される中、鎌倉の当事務所周辺では新しいお店も続々とオープンしています。
そこで、本日は、新しいお店を開いたり、新しいブランドを立ち上げようと考えている人にとって、
きっと役に立つお話をお伝えしたいと思います。
こんな時だからこそ、じっくりと構想を練るのも良いかもしれません。
新しい事業を始めようと思ったとき、当然のことながら「名前を何にするか」は非常に重要です。
では、新しいブランドの名前を決める際に、何が一番大切でしょうか。
・イメージ?
・響き?
・字数?
いろいろなこだわりがあって、迷うところですね。
この中に、「商標登録できるか」という項目を、是非加えておいてください。
「商標登録できる名前」とは、
1. 他人が商標登録していない名前
2. 似たような名前の有名ブランドがない名前
3. 消費者が、他人のブランド名と区別することのできる、識別力のある名前
です。
逆に、もし「商標登録できない名前」を選んでしまった場合、どんなことが起きるでしょうか。
1. 事業を始めた後に、他人の登録商標だと分かった場合、その名前が使用できなくなることもあります。
2. 有名ブランドから、商標権の侵害を警告される可能性があります。
3. 識別力のない商標は、他社も自由に同じブランド名を使えてしまいます。
せっかく良い商品・サービスを提供して信頼ができても、他社が同じ名前を使って乗っかることができてしまうので、
あなたの信用が、名前に蓄積されません。
まだ立ち上がっていないブランドの名前であれば、無限の候補の中から自由に名前を決めることができます。
その中からわざわざ、後で問題を起こす危険のある名前を選ばないように注意してください。
鎌倉で言えば、「鎌倉○○」という名前にしたいという方が大変多くいらっしゃいます。
例えば、ラーメン屋さんが「鎌倉ラーメン」というラーメンを売りたい。
しかし、「地名(鎌倉)+普通名詞(ラーメン)」の名前は識別力がなく、「商標登録できない」名前なのです。
例えば、あなたが美味しいラーメンを「鎌倉ラーメン」として販売し、全国区で有名になったとします。
「鎌倉ラーメン」を目当てにはるばる鎌倉を訪れた消費者が、あなたの「鎌倉ラーメン」を探し出して、食べて帰ることはできるでしょうか。
鎌倉で売っているラーメンは、全て「鎌倉ラーメン」と言えます。
評判を聞きつけた競合他社がみんな、「鎌倉ラーメン」ののぼりを店先に掲げても、何のクレームも言えません。
そんな状況では、消費者はどれが本物か分からず、あなたのラーメンに辿り着くことは困難です。
その名前は、ブランドとして育ったときに、信用を蓄積できるような名前かどうか。
スタートの時点から、しっかりと検討しておくことが重要です。
新しいブランド名を決める際に大切なこと。
・覚えやすく
・商標がとれるもの。
ぜひ覚えておいてください。