こんにちは、弁理士の渡部です。
しばらく更新が止まってしまっていましたが、知財にまつわる情報をブログでお伝えしていきたいと思っています!
本日は、スバリ「サウンドロゴ」についてのお話です。
サウンドロゴはブランド化のツール
現代は物があふれていて、あらゆる商品が簡単に安く手に入る時代ですよね。
そんななかで、戦略無しに商品を作って販売しても、売上にはなかなかつながりません。
そこで注目されているのが「ブランド」です。
商品や自社の良さをブランドに集約し、ブランドを消費者に覚えてもらうことで、売上向上につなげるアプローチになります。
ブランド化とかブランディングとかというと、資本がある大企業などが行うものと思うかもしれませんが、中小企業でも行うことができます。
むしろ、中小企業こそイメージの集約がしやすいので、ブランド化はしやすいといえます。
そのブランド化の手段として、注目したいのが「サウンドロゴ」です。
ブランド化に使われている身近な事例
令和3年3月に、ノーリツ給湯器の「お風呂が沸きました」という音声が、音の商標として登録になりました(商標登録第6369662号)。
実は私の家の給湯器もこの音が鳴ります(笑)。
こんな音声が登録になるのか、と感じる方もいるかと思いますが、音声によって商品やサービスが区別できれば商標登録を取得することができます。
他にも、久光製薬の「ヒ・サ・ミ・ツ」、ライオンのハンドソープ「キレイ キレイ」、大幸薬品のラッパのメロディーなど、聴けばすぐ商品がイメージできます。
そして、必ずしも歌詞(言葉)が入っていなくても、メロディーだけで商標登録が取得できるということです。
このような音声の商標のことを「サウンドロゴ」といいます。
消費者の空いている「音の記憶領域」を狙い撃ち
上でご紹介した商品を表す音声は、ブランドをイメージさせる大切なサウンドロゴです。
他社に真似されると間違って商品・サービスが購入されてしまうおそれがあるので、2015年に音商標という制度が導入されました。
商標はブランドと紐付けて消費者に記憶され、商標を見ると「あの企業の商品ね!」というふうに思い出します。
これまで商標は文字やマークなど視覚で記憶するものが多かったわけですが、これに対し、サウンドロゴは耳で記憶するものです。
消費者はたくさんの文字やマークを覚えていますが、音の記憶はまだ少ないので、その少ない領域に記憶してもらえるのが、サウンドロゴの特徴です。
まとめ
今はYouTubeやSNS等で自分たちで気軽に動画を配信し、ブランドイメージを作ることのできる時代です。
その際に、ちょっと一工夫で自社のサウンドロゴを挿入してみてはいかがでしょうか。
音の商標登録について、もしご相談がありましたらこちらからお気軽にお問い合わせください。