おはようございます。
弁理士の渡部です。
インターネットでは、他人の著作権を侵害する態様での著作物の利用が横行しています。
掲示板サイト「2ちゃんねる」も、スレッドで文章等の著作物を多く掲載することから、こうした問題に直面しています。
問題となっているのは、「2ちゃんねる」のスレッドの内容を編集して掲載する二次利用サイト「2ちゃんねるまとめブログ」です。
「2ちゃんねる」は、「2ちゃんねるまとめブログ」に対し、著作物の利用禁止に関する警告を行っています。
これに加え、「2ちゃんねるまとめブログ」を管理するインターネットサービスプロバイダ(ISP)に対しても、「2ちゃんねるまとめブログ」に一切の広告を掲載しない措置を取るように要請しました。
なぜ広告の掲載を禁止するのでしょうか。
それは、「2ちゃんねるまとめブログ」に掲載される広告によって「2ちゃんねるまとめブログ」が得る広告収益というのは、「2ちゃんねる」の著作物を利用して得た利益であり、本来は、著作権者である「2ちゃんねる」が得るべき利益だからです。
ISPは、「2ちゃんねる」の今回の要請を受け、「2ちゃんねるまとめブログ」において「2ちゃんねる」の著作物を転載しているページの削除又は同ページへの広告の掲載禁止を順次行っていくと回答しています。
ISPは、インターネットにおける情報発信の拠点となりますので、他人の著作権や商標権を侵害するおそれがある情報を削除したりするなど、インターネット上の法的秩序を維持する役割が求められます。
このように、ISPには、社会的に大きな役割が求められることから、情報の削除等によって損害が発生しても、一定の要件を満たせば免責されるように法律上の手当がされています。