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商標の類否判断の難しさ

おはようございます。
弁理士の渡部です。


既に商標登録されている他人の商標と似ている商標は、商標登録を受けることができないことになっています。


この商標の類否は、(1)商標の外観(見た目)、(2)称呼(読み方)、(3)観念(意味)の3つの観点から行われます。
原則として、この3つの要素のうち1つでも似ている場合は、商標が類似すると判断されます。


さて、実務においては、称呼が似ているかどうかの判断を求められることが多いです。
しかし、称呼が似ているかどうかの判断は、実はとても難しいのです。


例えば、「バルコット」と「バルコッティ」が似ているかどうか。
いかがでしょうか。


その答えは、次のとおりです。


「バルコット」と「バルコッティ」を対比すると、両者は、同音数からなり、称呼の識別上重要な要素を占める語頭音の「バ」をはじめ、これに続く「ル」及び「コッ」の音を共通にし、語尾音が「ト」と「ティ」と相違するのみである。
しかも、相違する「ト」と「ティ」の音は、舌尖を上前歯のもとに密着して破裂させて発する無声子音(t)を共通にする近似音であるばかりでなく、比較的聴取し難い語尾に位置し、かつ、前音の「コッ」が促音を伴って強く発音され、これに吸収されるように響くことから、両音の差異が全体に及ぼす影響はわずかなものというべきである。
そうすると、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調語感が近似し、彼此相紛らわしいものといわなければならない。
してみれば、両者は、称呼上相紛らわしい類似の商標と判断するのが相当である。


いかがでしょうか。
このように、称呼が似ているかどうかは、専門的な知識がないと正確に判断することが難しいのです。






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