皆さんは、「商標登録」という言葉に聞き覚えはありますか?
商標登録は、自分の商品やサービスの名前を守るための大切な権利です。
しかし、ちょっとした油断で、せっかく築き上げたブランドを台無しにしてしまう可能性もあります。
この記事では、誰もが知っておきたい「ざんねんな商標登録」の事例と、その教訓についてご紹介します。
将星国際特許事務所、所長。ブランド・マネージャーの資格を持ち、中小企業のブランディングと商標登録の支援に数多く携わっている。特許はAI、IT、ビジネスモデルを専門とする。講演活動も積極的に行っており、神奈川県優良産業人表彰を受賞している。
「堂島ロール」の商標登録
「堂島ロール」で有名な株式会社モンシュシュは、自社のケーキのパッケージに「モンシュシュ」という会社名を表示していました。
しかし、実は「モンシュシュ」という商標はすでに他社によって登録されていました。
その結果、モンシュシュは商標権侵害とされ、約5,140万円の損害賠償を命じられるだけでなく、店名や社名を「モンシェール」に変更することを余儀なくされました。
なぜこのようなことが起こったのか?
モンシュシュのように、自社の名前だと思って使っていた言葉が、実は他社によって商標登録されていたというケースは意外と多く見られます。
商標登録は、先に登録した者が権利を持つという先願主義を採用しています。
つまり、たとえ自分が先にその言葉を使っていたとしても、他社が先に商標登録を済ませていれば、権利は他社のものになってしまうのです。
悲劇を繰り返さないためのポイント
では、このような悲劇を繰り返さないためにはどうすればよいのでしょうか?
1.事前に商標調査を行う
商標登録出願前に、自分が使いたい言葉がすでに商標登録されていないかどうかを調査することが重要です。
特許庁のウェブサイトなどで無料で検索できますので、必ず事前に確認しましょう。
2.商標登録出願を行う
調査の結果、問題がなければ、早めに商標登録出願を行いましょう。
商標登録は、出願してから登録されるまで時間がかかるため、早めに行動することが大切です。
近い将来取り扱う可能性のある商品やサービスまでしっかりと分析し、将来もずっと安心の商標登録を検討したい方はこちらをご参照ください。
レコメンド商標登録サービス
3.弁理士に相談する
商標登録は、専門知識が必要な手続です。
不安な場合は、弁理士に相談することをお勧めします。
まとめ
商標登録は、ブランドを守るための重要な手段です。
しかし、ちょっとした油断で、大きな損害を被ってしまう可能性もあります。
この記事を参考に、ぜひ皆さんも商標登録について理解を深め、適切な対策を講じてください。
事業成功の心得
・商標登録は先に登録した者が権利を取得
・事前に商標調査を行い、問題がないことを確認してから出願
・不安な場合は弁理士に相談