かつての名機が再び注目を集めています。
NEC社がPC-8800シリーズ3機種の商標登録を出願したというニュースは、ノスタルジーを求める多くの方々にとって、驚きとともに喜びをもたらしているようです。
特に、40代、50代のビジネスパーソンであれば、その原動力の一端をこのPCに求めていた方も少なくないでしょう。
本記事では、このニュースについて当時の感触を知る一人として掘り下げていきたいと思います。
将星国際特許事務所、所長。ブランド・マネージャーの資格を持ち、中小企業のブランディングと商標登録の支援に数多く携わっている。特許はAI、IT、ビジネスモデルを専門とする。講演活動も積極的に行っており、神奈川県優良産業人表彰を受賞している。
各機種の商標登録出願の内容
まずは、話題の核心に迫るべく、出願された商標の詳細情報からお伝えします。
調べてみると、今回の出願は「PC-8801mkIISR」「PC-8801MA」「PC-8801MC」という3機種に関するもので、2024年3月18日に出願されたことが判明しました。
しかし、本日、J-PlatPatで検索したところ、該当の公開情報を確認することができませんでした。
見つからないと分かると、さらに調べたくなるのが人の性です。
有料の検索サービスで見つけることができましたのでご紹介します。
対象となった3機種それぞれの特色についてみていきましょう。
年代の古い順に追ってみます。
まず、1985年発売の「PC-8801mkIISR」です。
出願番号は商願2024-28184、出願日は2024年3月18日、公開日は同月27日です。
次に、1987年発売の「PC-8801MA」です。
出願番号は商願2024-28185、出願日は2024年3月18日、公開日は同月27日です。
最後に、1989年発売のPC88トリを飾った「PC-8801MC」です。
出願番号は商願2024-28186、出願日は2024年3月18日、公開日は同月27日です。
出願番号も年代順になっているところもにくいですね。
これらは順を追って進化を遂げたモデルであり、当時を知る人にとってはそれぞれに特別な思い入れがある機種です。
出願内容をみてみると、「コンピュータハードウェア」や「コンピューターソフトウェア」が商品として指定されているので、PC88同様に、PC関連の製品に使用する商標として出願されたことが分かります。
これら出願はいずれも2024年3月27日に公開されているので、通常はJ-PlatPatで見られるはずです。
これが見られないのは、J-PlatPatのシステムの不具合かもしれませんね。
少し時間を置くと見られるかもしれませんので、ファンの皆さまも一度検索して探してみてください。
私もJ-PlatPatで検索できたら本記事にリンクを共有します。
NEC社の意図とは何か
さて、ここで疑問として浮かぶのは、PC88自体は既に終売した機種なのに、なぜNEC社が今になってこれらの商標を出願したのかという点です。
商標登録は、「PC-8801mkIISR」「PC-8801MA」「PC-8801MC」を使っているため、又は近い将来(3年くらいの将来)使う予定があるために取得するのが通常です。
このことから考えると、NEC社は、「PC-8801mkIISR」「PC-8801MA」「PC-8801MC」の名称を冠した新たな製品を近々販売する可能性があることが考えられます。
レトロブームによる復活の兆し
最近では、過去の名機を彷彿とさせる製品が、ある種のレトロブームを巻き起こしています。
例えば、X6800は、1987年にシャープが発売したPCとして有名ですが、2023年に「X68000 Z」というミニPCを発売してX6800ファンの心を躍らせました。
これと同じような企画として、NEC社も「PC-8801mkIISR」「PC-8801MA」「PC-8801MC」の名称を冠した新たな製品で、かつてのファンを再び引き込むことを狙っているのかもしれません。
まとめ
NEC社によるPC-8800シリーズの商標出願のニュースは、懐かしさと期待感を同時に呼び起こすものです。
過去を振り返るだけでなく、これからの展開に目を向けて興奮する人も多いのではないでしょうか。
私たちが親しんだ過去の名作が、現代の技術を組み込んでよみがえる可能性がある今、その続報に心から期待したいところです。
これからのNEC社からの発表に、私たちの目は釘付けです。