トイレ、キッチン、浴室などの水回りの設備は、私たちの生活に欠かせないものです。これらの設備を製造販売するTOTOは、世界を代表する衛生陶器メーカーの一つです。
TOTOは、どのようにして世界的なブランドへと成長したのでしょうか?その成功の秘訣は、マスターブランド方式と個別ブランド方式を組み合わせた巧みなブランド戦略にあります。
将星国際特許事務所、所長。ブランド・マネージャーの資格を持ち、中小企業のブランディングと商標登録の支援に数多く携わっている。特許はAI、IT、ビジネスモデルを専門とする。講演活動も積極的に行っており、神奈川県優良産業人表彰を受賞している。
TOTOの歴史
TOTOは、1917年に「東洋陶器株式会社」として設立されました。
当時は、タイルや磁器などの衛生陶器を製造販売していました。
1973年に社名を「TOTO株式会社」に変更し、海外展開を本格化。現在では、世界100カ国以上で事業を展開しています。
TOTOブランドが社名に格上げされたニュースです。
「TOTO」元々は商標…ウォシュレットのヒットなど認知度向上で社名に「格上げ」
TOTOブランド名の由来
TOTOというブランド名は、「東洋」と「陶器」を組み合わせた造語です。
覚えやすく、発音しやすいという理由に加え、国際的な響きがあり、海外展開も視野に入れたネーミングとなっています。
ブランディングに最適なブランド名と商標登録を検討したい方はこちらをご参照ください。
ブランド名制作&商標登録サービス
TOTOのブランド戦略
TOTOは、マスターブランド方式と個別ブランド方式を組み合わせたブランド戦略を採用しています。
マスターブランド方式
マスターブランド方式とは、複数の製品やサービスに共通のブランド名を付ける方法です。
TOTOの場合、TOTOというマスターブランドを、衛生陶器、キッチン、浴室、洗面化粧台などの幅広い製品に付けています。
マスターブランド方式について詳しくはこちらをご参照ください。
BMWが自社名を全面に打ち出すワケ~マスターブランド方式のメリットとデメリット
個別ブランド方式
個別ブランド方式とは、それぞれの製品やサービスに個別のブランド名を付ける方法です。
TOTOの場合、ウォシュレット、ネオレスト、サザナなどのブランド名を、それぞれの製品に付けています。
個別ブランド方式について詳しくはこちらをご参照ください。
キットカットやネスカフェに用いられる「個別ブランド方式」とは?
TOTOの成功の要因
TOTOは、マスターブランド方式と個別ブランド方式を組み合わせることで、以下のような効果を狙っています。
・ブランド認知度の向上
マスターブランドであるTOTOという名前を広く認知させることで、個別ブランドの認知度向上にもつながります。
・ブランドイメージの強化
TOTOというブランドに込められた高品質、清潔感、快適性などのイメージを、個別ブランドにも与えることができます。
・顧客のニーズへの対応
様々な顧客ニーズに対応するため、個別ブランドによって製品の特徴や価格帯を差別化することができます。
TOTOの個別ブランドとしては、例えば、「ウォシュレット」「ネオレスト」「サザナ」があります。
ウォシュレットは、TOTOを代表する個別ブランドです。
TOTOの技術力とノウハウを結集した高機能なウォシュレットとして、世界中で高い評価を得ています。
ネオレストは、TOTOの高級ラインのトイレブランドです。
高級感のあるデザインと機能性を兼ね備えたトイレとして、多くの顧客から支持されています。
サザナは、TOTOのユニットバスブランドです。
清潔感と快適性を追求したデザインと機能性で、多くの顧客から支持されています。
まとめ
TOTOは、高品質な製品、革新的な技術、積極的な海外展開、そして巧みなブランド戦略によって、世界を代表する衛生陶器メーカーへと成長しました。
今後も、TOTOのさらなる発展に期待が高まります。