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他人の商標の引用が認められなかった事例~シャネルNo.5タイプ~

他人の商標を引用する場合は、自社の商品やサービスを示す表記にしないこと、他人の商品やサービスを示す表記にすることが必要です(参考ブログ)。
しかし、どのような表記が問題となるのか気になっている方もいらっしゃることでしょう。
そこで、本記事では、実際の事件を通じて、他人の商標の引用が認められなかった事例をご紹介します。

この記事を書いた人
弁理士 渡部仁

将星国際特許事務所、所長。ブランド・マネージャーの資格を持ち、中小企業のブランディングと商標登録の支援に数多く携わっている。特許はAI、IT、ビジネスモデルを専門とする。講演活動も積極的に行っており、神奈川県優良産業人表彰を受賞している。

商標権侵害が争われたシャネルNo.5タイプ

この事件は、他人の商標を引用する意図で(自社の商品を示す表記ではなく他社の商品を示す表記として)被告が使用した事例であると思われます。

この事件では、原告が「香料類」について「NO.5/CHANEL/PARIS」という商標登録を所有しており、被告が「シャネルNo.5タイプ」「If You Like The Fragrance Of CHANEL NO.5 ® You'll Love Cinq5」(もしあなたがシャネルNO.5の香りが好きなら、Cinq5もきっと気に入るでしょう)という表示を付した香水を販売していたところ、原告は商標権の侵害を主張しました。

被告は、「シャネルNo.5タイプ」という表示は、シャネルNo.5と類似した香りを持つ商品であることを説明するためのものであり、また、「If You Like The Fragrance Of CHANEL NO.5 ® You'll Love Cinq5」の表示についても、シャネルNo.5と類似した香りを強調するための広告文として使用されていると主張しました。

商標権侵害とされた理由

しかし、裁判所は、これらの表示が被告の商品を示す表記と解釈されるため、原告の商標権の侵害と判断しました。
その理由として、以下の点を挙げています。

まず、シャネルNo.5がシャネル・グループの販売する香水の商品表示として著名であることから、被告の上記表示は、被告の商品を示す表記として理解する消費者も少なからずいるでしょう。

また、「シャネルNo.5タイプ」の表示を見ると、シャネルNo.5とは異なるが似た香りを持つ商品であることは理解できなくもないが、被告の上記表示は、被告の商品を示す表記として理解する消費者も少なからずいるでしょう。

さらに、「If You Like The Fragrance Of CHANEL NO.5 ® You'll Love Cinq5」の文章中、"CHANEL NO.5"の部分が他とは異なる書体で表されており、注目を引く要素となっていること、英語からなる文章全体の意味を理解できない消費者もいることから、この表示は、被告の商品を示す表記として理解する消費者も少なからずいるでしょう。

どのような表記をすれば侵害を避けられるのか

この判例では、被告の「シャネルNo.5タイプ」という表示に対し、「当社の香水はシャネルNo.5ではないが似た香りの商品である」のような打ち消し表示が付されていたならば、商標権侵害を免れる余地があったことが述べられています。
他人の商標を引用する場合は、打ち消し表示を付すことも侵害防止の一つの対策になります。

ただし、打ち消し表示がどのような内容であれば充分かという明確な基準までは示されていません。
このため、特にこの事件のように著名な他人の商標を引用する場合は、慎重になる必要があります。

商標権侵害を避けるために

他人の商標を引用する場合は、その表記に細心の注意を払う必要があります。
この事例でいえば、例えば、以下の点について検討されるとよいでしょう。

・説明的な使い方になっているかどうか
・他社の商標が著名であるかどうか
・他社の商標を強調する表示になっていないかどうか
・消費者の視点で他社の商品であるとの誤認を招かないかどうか
・打ち消し表示があるかどうか
・広告文の言語が消費者にとって明解なものかどうか

まとめ

他人の商標を引用する場合は、その商標が自社の商品やサービスを示す表記と誤解されないよう注意が必要です。
特に著名な他人の商標を引用する場合は、消費者が他社の商品であると誤認する可能性があるため、表示方法には細心の注意を払うべきです。
商標権侵害を避けるためには、説明的な使い方を心がけ、必要に応じて打ち消し表示を付けることが有効です。
しかし、どのような表示が安全であるかについては、一概にいえないため、弁理士に相談することをお勧めします。
このような対策を講じることで、商標権侵害のリスクを最小限に抑え、他社の商標を引用しながら分かりやすく適切な広告やプロモーションを行うことができるでしょう。

他人の商標を引用することについて解説したブログ記事です。こちらもよろしければご参照ください。
他人の商標の引用

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